情報Iは暗記物と並んでプログラミング課題が出ます。一番の対策は「自分でプログラミングをやってみること」です。ここではWindowsマシンを想定して実際にpythonをインストールして動かしてみることにします。
数学と一緒で手を動かしてナンボの話です。ただ読んで「ふーーーん」ではなくて、実際にやってみることで自分の実力になります。
使うソフトは全部フリーソフトです。
1.まずはインストール
pythonの最新バージョンは執筆時点で3.13.3です。ちょっとくらい古くても問題ありませんが、できるだけ最新版を入れることとします。ダウンロード先は https://www.python.org/downloads/ でした。”Download Python” という黄色いボタンをクリックすると、自動でダウンロードが始まります。python-3.13.3-amd64.exeなるものが落ちてきたと思います。「うちAMDじゃないし!」とか思うかもしれませんが、今のCPUではAMDでもIntelでも大丈夫です。これは昔Intelが64ビットCPUを開発するにあたり”IA-64″という独自規格を提唱してずっこけて、結局AMDが提唱する64ビット規格に落ち着いたという、黒歴史があるからです。
さて、実行するとインストール先を聞かれるかと思います。私は”C:\Python\Python313″に入れましたが、場所が分かっていればどこでもいいです。ただこのPython単体はコマンドラインアプリ=Windowが開く普通のアプリではないために、コマンドプロンプトなどからパスを直打ちで呼び出してやる必要があります。
で、コマンドラインアプリということは、WIndowsに「このコマンドがどこにインストールされたのか」を教えてあげる必要があります。Win11の場合だと、「設定」→「システム」→「バージョン情報」→真ん中あたりの「システムの詳細設定」までクリックすると、さらに別のウインドウが開きます。めんどくさいですね。

この「詳細設定」タブから、一番下の「環境変数」をクリックすると、変数と値がずらずら並びます。いじりたいのはその中の”Path”という変数です。変数”Path”をクリックしてから下の「編集」ボタンを押しますと、すでに何行か並んでるかもしれません。場所はどこでもいいので「新規」を押して、以下の2つを入力します。
“C:\Python\Python313\”
“C:\Python\Python313\Scripts”
注意点があります、これは私が”C:\Python\Python313”にインストールしたからこうなります。もし例えば”C:\Program Files\Python313″にいれたら、
“C:\Program Files\Python313\”
“C:\Program FIles\Python313\Scripts”
みたいになります。めっちゃ余談ですが昔のWindowsというかDOSの時代かしら…はファイル名に空白(スペース)が入るとまともに認識してくれませんでした。”Program Files”も空白といえば空白があります。なので私のようなジジイはすぐに空白のないパスにインストールしてしまいます…。
あ、今さら気が付いた。”\”と”¥(円マーク)”も歴史的経緯に基づき同じ意味です。
できたらこんな感じになっているでしょうか。

大事なのは上の2行です。他の行はこれまでどんなアプリをインストールしたかによって変わります。
OKを押したら「コマンドプロンプト」を開き、以下のコマンドを入力してみましょう。”python –version” パスがうまく変更されていれば次のように表示されます。

versionの前の”-(マイナス記号)”は2つです。ここまででも結構一苦労ですが、この後をもっと楽にするためにVSCodeというアプリを入れます。
1.1 VSCodeのインストール
プログラミングの実際としてはなんらかのエディタでプログラムを打ち、それをコマンドプロンプトで実行してみて結果を得るというのが昔の流れでした。でもエディタとコマンドプロンプトを何回も行き来するのは大変疲れるため、Windowsアプリとしてエディタも兼ねつつ、同じウインドウの別の場所で実行して結果を得るのが最近の流れです。IDE=Integrated Development Environment、日本語では統合開発環境といいます。いくつかありますがMicrosoftが出しているVS Codeというのを今回入れてみます。
VSCodeで検索すると…、こっちの方がいいかしら。
“https://code.visualstudio.com”から”Download for Windows”を押します。VSCodeUserSetup-x64-1.99.3.exeなるものが得られました。これまた実行します。いくつかオプションを聞かれるかと思いますが、基本的にそのままで構いません。

実行するとこんな画面が出てきます。ようやくWIndowsアプリですね。もしかしたら英語ばっかり出てきたかもしれません。その時は左側のアイコンから

を押します。これは拡張機能をダウンロードできる場所す。”EXTENSIONS: MARKETPLACE”とか出てるかもしれません。
検索窓から”Japanese”とだけ入れて検索すると”Japanese Language Pack”というのが出るので入れちゃいます。”インストール”をクリックして”Change Language and Restart”もクリックで日本語になるかと思います。
同様に今度は

から”Python”を検索しましょう。

拡張機能はけっこうコロコロ変わって色々出てきちゃうと思うのですが、とりあえずこれにしておいて下さい。インストールが完了すると、プロジェクトフォルダを作るとか開くとか聞かれるかもしれません。無視しても構いませんが、たとえば”C:\Python\Python313”の下に”Projects”みたいなフォルダを指定しておくと、自分が作成しただいたいのファイルをその下で管理してくれるので便利です。
上に書いたような操作は別にいちいちで対応しなくても構いません。ひょっとしたらバージョンが変わると挙動が変わるかもしれません。だからといってこの文章通りにできなかったとしても「あとでどうにでもなります」。とりあえず進めるのが第一です。
ともあれ、こんな感じになったかしら。なってなかったら問い合わせてください。

真ん中右の「新しいファイル」を押すと、上の段にファイル名を入力するように言われます。とりあえずテストなので “test.py”でも “helloworld.py” でもなんでもいいのですが、末尾は”.py”にしておくことをお勧めします。いわゆる拡張子というやつで、Windowsはこれを見て挙動を決めたりします。これも昔からの流れです。
私の場合場所も聞かれたのでさきほどの”Projects”の下にさらに “helloworld” というフォルダを掘り、その中に “helloworld.py” というファイルを作ることにしました。しちめんどくさいことをしているようにも見えますが、「プロジェクト」というのはある目的にそったプログラムのまとまりです。pythonでも他の言語でも1つのプロジェクトの中に複数のpythonプログラムが存在することがよくあります。プログラムが大きくなってくると見やすくしたり間違いを探しやすくするために分割したりします。たぶん情報Iで出てくるプログラムくらいだったらわざわざプロジェクトごとのフォルダを掘るまでもない気がしますが、習慣として作っておくと混ざったりしないので便利です。
では早速テストプラグラムを打ってみましょう。右側の画面に以下を入力します。
print(“Hello, World!”)
それだけ打ったら右上の

こんなボタンを押します。マウスを乗っけると”Run Code”とかいうボタンです。無事に打てていれば「コンソール」という画面が開いてHello,Worldという文字が表示されるはずです。

もしかしたらエラーが出るかもしれません。特に”←この「二重かっこ」は何種類かあるので注意です。たとえばこのWebページからコピペしても違う方の二重かっこが入るかもしれません。そういうときはいったん二重かっこだけ消して、キーボードから二重かっこを打ち直せば大丈夫です。
ここまで来たらようやくインストール作業は終わりです。